「トロント日本商工会による日本語セミナー」のレポートです。詳細は以下のとおりです。
◎第6回 日本語での交通法規/生活安全セミナー
日 時: 2016年9月10日(土)午前10時~午後1時
トピック:
1. 生活安全(警察への通報及び相談、警察が自宅に来た際の対応、等)
2. 交通法規
3. チケットを切られた際の対応
4. 事故が起きた際の対応
講 師:トロント市警察専門官
Constable Giancarlo Marrelli (Traffic Services Safety Program)
Constable Ryan Park (Divisional Policing Support Unit)
主 催:トロント日本商工会
1. 生活安全(警察への通報及び相談、警察が自宅に来た際の対応、等)
緊急時:911 (日本語通訳可)
非緊急時:416-808-2222
・窃盗被害
・パスポート紛失
・詐欺
・怪我のない事故
・不審者、不審車両の通達 等
同月比較で銃器犯罪のでの死者が例年の約2倍になっているとの報道もある
2. 交通法規
a.歩行者のルール
b.交通ルール(主な罰金と減点)
c.自転車の運転
d.冬季の運転
a.歩行者のルール
横断歩道を渡る
歩行者用信号がカウントダウンを初めたら、渡り始めてはいけない
J-Walk、信号無視:罰金$35
b.交通ルール(主な罰金と減点)
$490(-3点)携帯電話を手に所持して運転(通話していなくても)
$110(-2点)自転車を追い越すとき1mの距離を保たなかった
$365(-3点)自動車のドアが原因で自転車運転者が怪我
$400~$2,000(-6点)スクールバス周辺の運転違反
*スクールバス停車時は、中央分離帯等が無い場合は反対車線の車も20m手前で停車
$490(-3点)緊急車両周辺の運転違反
$240 チャイルドシートの違反
駐車違反(トロント市の一例)
$15 3時間以上の駐車
$15 歩道縁石から30cm以上離れた駐車
$40 出入り口での駐車
$100 消火栓より3m以内に駐車
$40 交差点より9m以内に駐車
$60 歩道に乗り上げた停車
$60 路肩停車
$60 交差点内停車
$60 横断歩道から9m以内停車
$60 橋上停車
減点システムについて
減点後2年間は記録され続け、運転免許証の種類と溜まった減点数により罰則
オンタリオ州外での減点も同様に記録される
〔Full G〕
2~8点 警告書が送られてくる
9~14点 免許停止の可能性有。または交通省との面談($50手数料;未払いの場合免許取消)
15点以上 30日間の免許停止
〔G1,G2,M1,M2,M1-L,M2-L〕
2~5点 警告書が送られてくる
6~8点 免許停止の可能性有。または交通省との面談($50手数料;未払いの場合免許取消)
9点以上 60日間の免許停止
c.自転車の運転
(地域によって条例が異なる。以下はトロント市)
$60 14歳以上の歩道自転車走行
$60 18歳未満の乗車時ヘルメット未着用
$110 前方にホワイトライト、後方にレッドライトまたは反射板未着用
$85 ベルとホーン取り付け無
$85 ブレーキ無
*道路交通法で自転車は路肩を走行する車両と定義され、自動車と同様に交通標識に従わなければならない(一方通行含む)違反の場合は罰金$85~$260
d.冬季の運転
車内に積んでおくと良いもの
・充電された携帯電話
・保存食 ・水 ・懐中電灯
・毛布 ・暖かい服
・ブースターケーブル
・シャベル
・トラクションマット/トラクションサンド
(トロント日本商工会セミナー資料)
3. チケットを切られた際の対応
駐車違反の場合… ①自主的に罰金を支払う
②裁判所に行き抗議する(“I didn’t know”では不十分)
罰金を払わずにいると、ナンバープレートの更新が不可
違反通知の場合… ①自主的に罰金を支払う
②裁判所に行き違反を認め罰の軽減を求める
③裁判を申し出る
チケットを切られてから15日以内に何も行動を起こさない場合は有罪となる
罰金を払わずにいると、免許停止
4. 事故が起きた際の対応
Reporting a Collision
1. 安全を確認し、道路脇に車を移動する。
2. 警察に電話をする。事故の状況により警察が来る必要がないと 言われた場合、最寄のコリジョンレポーティングセンターの所在 地を聞く。
3. 相手や目撃者がいる場合は情報交換をする。(氏名、住所、電 話番号、保険会社、車種等)
4. 出来る限り早く、事故車を身近のコリジョンレポーティングセン ターに持って行く。 (運転免許証、車の所有証明、保険証券等を持参する)
5. 車や所有物に2000ドル以上の損害がある事故に巻き込まれた 全ての運転手は、コリジョンセンターに事故を報告しなければな りません。特別な状況の場合は、警察が事故現場に来ます。
(トロント日本商工会セミナー資料)
上記②について
・飲酒運転、不注意・危険運転、重度の怪我人がいる、無保険運転等の場合は警察が来る必要有
・それ以外はコリジョンレポーティングセンターの時間外であれば来る可能性有
上記③について
・相手:運転免許証番号、車両登録番号、保険番号、乗用していた人数も確認する
・目撃者:氏名、住所、電話番号等連絡先
・写真撮影(車両、事故現場等)
セミナー中の質問事項
Q.信号点滅時(赤信号、黄信号)、または信号が点灯していない場合はどうすれば良いか。
A.四方向に停止サインがある交差点と同様に扱う。交差点に最初に到着した車両、もしくは右手にいる車両が優先。
Q.9~14点(または6~8点)減点の場合の交通省との面接では減点がリセットされるのか。
A.減点システムは交通省の管轄なので解からない。
(補足:交通省ウェブサイトより、面接では免許停止としない理由を説明しなければならない。減点がリセットされることはなく2年間記録に残される。)
Q.スクールバスが減速中の場合は、まだ停止していないので横を通り過ぎて良いか。
A.停車義務はないが、減速して通り過ぎる方が良い。
Q.チャイルドシートは日本のものを利用して良いか。
A.カナダの交通安全基準を満たしている、カナダの製品を利用しなければならない。
Q.カナダには一時的な滞在となるので、知人から譲り受けたチャイルドシートを利用しても良いか。
A.利用しても良いがチャイルドシートの有効期限を確認し、またそのチャイルドシート利用時に事故に巻き込まれていないか確認すること。
Q.自転車の利用について14歳以上の歩道走行を禁止する(トロント市)とあるが、13歳以下の子供と走行する場合親は歩道を走行して良いか。
A.子供は歩道を走行し、親は車道を走行する。
Q.自動車事故の際に警察、またはコリジョンレポーティングセンターに連絡すれば事故現場に来てくれるのか。
A.警察が来る必要がないと判断した場合は、最寄りのコリジョンレポーティングセンターセンターに車両を自分で持っていく必要がある。コリジョンレポーティングセンターは車の事故を通報する施設であり、事故処理の手伝いをする施設ではないので現場には来ない。
Q.コリジョンレポーティングセンターでは日本語対応はあるか。
A.警察機関ではないためわからないが、事故記録は法的文書であるから通訳を要求する権利はあると思われる。
Q.保険会社には通報しなくてはいけないのか。
A.保険約款に連絡しなければならないと記載されているか確認が必要。
Q.子供に一人で留守番をさせても良い年齢は決まっているか。
A.年齢等決まりはないが、一人にさせる時間に応じた必需品(食料、飲料、十分な空調等)を用意しておくこと。長時間にわたり必需品を提供せず子供を放置した場合は犯罪となる。
参考資料:トロント日本商工会セミナー資料