レストラン・カフェ保険について

カナダでレストランやカフェを経営する上で、予期せぬ事態から事業を守るためには、適切な保険への加入が不可欠です。またテナントとして場所を借りる場合、大家からの保険加入も義務付けられています。多岐にわたるリスクが存在するため、包括的な保険プランを検討する必要があります。

まず、**賠償責任保険(Commercial General Liability Insurance – CGL)**は最も重要な保険の一つです。これは、第三者の身体の負傷や財物の損害に対して、事業者が法的責任を負った場合に補償するものです。レストラン・カフェ特有のリスクとしては、お客様が食事による食中毒を起こした場合や、店内で転倒して怪我をした場合などが挙げられます。また、看板や広告が原因で他者に損害を与えた場合の賠償責任もカバーします。十分な補償額を設定することで、万が一の訴訟費用や損害賠償金に対応できます。

次に、店舗の建物や設備、備品、食材などを守る**財物保険(Commercial Property Insurance)**も重要です。火災、落雷、爆風、水害、盗難、いたずらなどの事故によってこれらの財産が損害を受けた場合に、修理費用や再調達費用が支払われます。特にレストラン・カフェでは、厨房での火災リスクや、冷蔵・冷凍庫の故障による食材の損失、盗難などが考えられます。保険金額は、店舗の資産価値を正確に評価して設定する必要があります。

さらに、事故によって店舗が一時的に営業できなくなった場合の収入減少や継続的な経費を補償する**事業中断保険(Business Interruption Insurance)**も検討すべきです。火災などで店舗が損壊し、営業再開までに時間を要する場合、売上は途絶えますが家賃や従業員の給与などの固定費は発生し続けます。この保険に加入していれば、営業再開までの期間の損失をカバーし、事業の継続を助けます。

従業員を雇用している場合は、**労災保険(Workers’ Compensation Insurance)**への加入が義務付けられています。これは、従業員が業務中に負傷したり病気になったりした場合に、治療費や休業補償などを支払うものです。オンタリオ州の労働法に基づき、WSIB Ontario (The Workplace Safety and Insurance Board)など適切な保険に加入する必要があります。

業務で車両を使用する場合は、**自動車保険(Commercial Auto Insurance)**も必要です。デリバリー用の車両だけでなく、業務で使用する全ての車両が対象となります。対人・対物賠償責任保険に加えて、車両の損害に対する保険も検討する必要があります。

アルコールを提供するレストランやカフェでは、**アルコール賠償責任保険(Liquor Liability Insurance)**も重要な検討事項です。提供したアルコールが原因でお客様が酩酊し、第三者に損害を与えた場合、事業者も法的責任を問われる可能性があります。この保険は、そのような事態に備えるものです。

これらの保険を選ぶ際には、まず自身の事業規模や業態、そして潜在的なリスクを十分に理解することが重要です。複数の保険会社から見積もりを取り、補償内容、保険料、免責金額などを比較検討しましょう。保険の専門家やブローカーに相談することで、自身のビジネスに最適な保険プランを設計してもらうことができます。安価な保険料だけで判断するのではなく、万が一の事態にしっかりと対応できる補償内容であるかを確認することが大切です。

レストラン・カフェを経営する上で、適切な保険は事業の持続可能性を高めるための重要な投資と言えるでしょう。リスクを適切に管理し、安心して事業運営を行うために、保険の加入を真剣に検討をお願いします。

ここに掲載されている内容はあくまでも概略参考資料であり、正確性を保証するものではありません。すべての補償内容の詳細は、個々の保険約款に基づきます。

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